以前、「ナスの一番花が消えた」という記事を書きました。毎朝のように世話をしていたナスの苗、その大事な“一番花”が、ある朝突然なくなっていたのです。

何が起こったのか分からず、畑の周りを見渡すと、すぐ近くの木にヒヨドリの姿が。花以外には目立った痕跡がないこともあり、おそらく鳥の仕業では…と推測。
これ以上被害を出したくないと思い、防鳥ネットの導入を決意しました。
小さな畑をどう囲う?3つの方法を検討
我が家の家庭菜園は、約5×6mほどの小さな畑です。
防鳥ネットを張るにあたって、以下のような方法を考えました。
- 苗1本ずつにカバーをかける「株を囲う」方法
- 畝ごとにトンネルのような形で囲う「畝を囲う」方法
- 畑全体を大きな空間として囲ってしまう「全体を囲う」方法
株や畝をピンポイントで囲うほうが楽ですし、コストもかからないのですが、我が家では鳥だけでなく猿の被害も深刻だったため、思い切って「畑全体を囲う方法」を選びました。猿は賢く、器用なので、部分的なネットでは防ぎきれないことも多いためです。
またナスだけでなく、他の作物も守りたいので、全体を囲うほうがいいだろうという判断です。

購入したネットと設置手順
購入したのは、防鳥ネット2m×50mのもの。サイズとしては明らかに長すぎますが、今後の展開や失敗も想定して、余裕を持って選びました。
購入はいつも通りAmazonで。こういった長ものは車に積むのも大変なので、通販で購入できるのはとても助かります。

支柱には、余っていた畑用の支柱(2m)を使用。鹿や猪といった大型動物への対策ではないので、特に強度の高い単管パイプなどは使わず、軽量なもので十分です。
設置手順は以下の通りです。
- 畑の四隅と各辺に、支柱を等間隔で打っていく
- 防獣フェンスがすでにある面を起点に、支柱に向かってネットを引っ掛けるように張っていく
- まずは「天井」部分を形成し、次に側面の「壁」をつくる
- ロール状のネットはどうしてもねじれたり隙間ができるため、結束バンドなどで固定しながら隙間を埋めていく

畑の手入れのしやすさと防御性能のバランスを考えながら、なんとか1日で完成。近所の人が使っているネットは、緑や白のものが多いですが、このネットは黒で目立ちにくく、「いかにもネットを張りました!」という感じが少ないのもよかったです。

猿も嫌がる?ゆらゆらネットの意外な効果
支柱が細くて、ネットが風でゆらゆらする場面も多々あります。
実はこれ、猿に対しては「不安定な足場」として機能し、逆に効果的だという説も。設置した後も、猿の群れが何度か周囲に来ましたが、ネットに触れて嫌な思いをしたのか、それ以降は一度も畑に侵入されていません。
ネットで調べると、単管パイプでしっかりした「檻」を作っている方もいますが、あまりにものものしいものは避けたかったのも正直なところです。せっかく田舎の自然の中で暮らしているのに、畑だけが異様に工業的になるのは、どうしても違和感がありました。
強度のある檻のような構造の方が安心かもしれませんが、景観や畑との一体感を損なうのは避けたかったので、見た目と効果のバランスを取った設計にしています。
思わぬ落とし穴…鳥が中に入っていた!
ネット設置の翌朝。畑を見に行って、目を疑いました。中に鳥がいるではありませんか。よくできた笑い話のようです。

急いで近づくと、鳥はするりと防獣フェンスの隙間から外へ飛び出しました。
そう、フェンスの網目は鳥にとってはスカスカ。そこを完全に塞ぐのを忘れていたのです。考えてみれば当然なのですが、そのときは畑に気を取られてフェンスのことを完全に見落としていました。
その日のうちに、防獣フェンス側も細かいネットや結束バンドで補強。以降、鳥の侵入はぱったりとなくなりました。
「手作り感満載」でも、成果は十分


完全な密閉ではありませんし、プロの施工のような仕上がりではありません。それでも、ヒヨドリによる食害はピタリと止まり、猿も近づかなくなりました。
ネットの中で安全に野菜が育つ様子を見て、「やってよかった」と心から思います。防鳥ネットひとつでも、設置の仕方次第で猿への対策にもなり得ると、実感しています。
家庭菜園における獣害・鳥害対策として、「畑全体を囲う」という選択は手間こそありますが、大きな効果がありました。今後も、必要に応じて補強しながら、この形をベースに菜園を育てていきたいと思います。