田舎暮らしの楽しみのひとつとして、家庭菜園に取り組んでいる方も多いかと思います。私自身も、畑仕事は暮らしの一部として日常的に行っていますが、獣害は避けて通れない問題です。
今回は、柵を設置したにもかかわらず発生した猿による被害について、実体験をもとに記録します。
特に、枝豆などの豆類を育てている方にとって、猿対策は他の動物よりもさらに難易度が高いと感じています。
柵の完成後、枝豆を種まき
前回、敷地のまわり全体を囲う形で防獣フェンスを設置したお話を書きました。
高さは約1.3メートルで、地面には木製の杭でしっかりと固定しています。
これにより、以前悩まされていた鹿やイノシシの侵入は、ある程度防げるようになっていました。
柵の設置後は、子どもたちと一緒に枝豆の種まきを行いました。
穴を掘って種を蒔き、軽く土をかぶせて水をやる程度のシンプルな作業でしたが、久しぶりの家庭菜園ということもあり、小さな楽しみを感じていました。
数日後には芽が出始め、双葉が揃ってくる頃には、成長の様子を見に畑へ足を運ぶのが日課になっていました。
順調に育っていく様子に子どもたちも喜び、「これでようやく普通に畑仕事ができそうだ」と思っていた矢先の出来事でした。
朝、ウッドデッキに猿が出現
被害が起きたのは、ある早朝のことです。
私は普段、5時半ごろに起きます。今朝もいつものように起きて、なにげなく窓の外を見ると、自宅のウッドデッキに何かいるのが見えました。近所の猫がよく遊びにくるので、猫好きな私は「あー今日も来てるな」などと呑気に様子を見にいきました。すると、それは猫でなく、体長50cmほどの猿でした。
少し前にジャガイモの被害にあったばかりだったこともあり、驚いてすぐに外に出ると20~30匹ほどの群れが畑を荒らしています。シャベルを振り上げてすぐに追い払いましたが、時すでに遅し。枝豆の畝が荒らされていました。
土の上には、芽の根元が抜き取られた痕跡が残っており、種だった部分、つまり豆はすべて食べられていました。
一つひとつ丁寧に抜いて、豆だけ食べていったような形跡から、猿の器用さと目的の明確さがうかがえました。
猿による被害は防ぎにくい
今回の防獣柵は、主に地上を歩く動物への対策を目的として設置したものです。
そのため、上部は完全に開放された状態で、柵を飛び越えたりよじ登ったりする動物への対策は考慮していませんでした。
猿は手先が非常に器用で、学習能力も高いため、ネットの隙間や高さに関係なく侵入してきます。
また、一度畑に食べ物があることを認識すると、繰り返し現れる傾向もあります。
完全に猿の侵入を防ぐには、上部まで囲う檻型の構造にしなければなりません。
ただし、そうした構造を家庭の庭先に設置するには、景観を損なうだけでなく、コストや作業の手間も大きく、現実的にすぐ導入するのは難しいというのが正直なところです
応急処置として、植え直しと再播種を実施
今回被害に遭った枝豆の芽の中には、根が少し残っているものもありました。
その中で比較的無事そうなものを選び、再度土に植え直しました。
また、万が一再定着しなかった場合に備え、苗ポットにも新しい種をまいて育苗を開始しました。
ただし、最初の種まきからは少し時間が経っており、発芽率や生育に影響が出る可能性もあります。
このようにして、現時点でできる範囲の対処は行いましたが、また同じ猿たちが現れる可能性を考えると、完全な解決策にはなっていません。
今後どういった防除策を講じるかを検討する必要があります。
がっくりとうなだれる私を見て、子どもたちは、「また大きくなるといいね」と声をかけてくれました。そうした言葉が、何よりの支えになります。
今後の課題と検討中の対策
猿による家庭菜園の被害は、他の野生動物に比べて対処が難しいです。
以下のような追加対策も検討しています。
- 畑全体を上部まで覆う囲い型の構造にする（いわゆる檻、少し躊躇する）
- モーションセンサー付きの光・音による威嚇装置を導入する
- 猿が特に好む作物（豆類や果物）を避け、被害リスクを下げる
- 人感センサーライトやカメラを使って、出没時間帯を特定しやすくする
ただし、こうした対策も費用・効果・景観・手間といった複数の要素を天秤にかける必要があります。
特に個人の家庭菜園規模では、完全な猿対策を講じるには限界があると感じています。
とはいえ、放置すれば被害が拡大する可能性もあるため、現実的に導入可能な範囲での工夫を続けていくつもりです。
もし効果的な防除策をご存知の方がいればぜひお知らせいただけると嬉しいです。頑張ります！
追伸：植え直した芽は無事に定着！予備のタネも順調に発芽しました。
植え直した芽は、一部ネキリムシにやられてしまいましたが、無事に5株定着しました。このまま大事に育てていこうと思います。バックアップで巻いたタネも無事に発芽し順調に成長中！なんとか収穫まで頑張ります！
