家庭菜園をはじめてみると、思いもよらないトラブルに次々と直面します。前回は野生の猿に枝豆を抜かれてしまい、落胆しながらも芽を植え直したというお話をしました。

さて、今回はその続きです。
猿の襲撃をなんとか乗り越えた矢先、今度は「ネキリムシ」という厄介な虫に苗をやられてしまいました。
この記事では、ネキリムシの特徴・被害の見分け方・対策方法・実際に試したことを詳しくご紹介します。対策が功を奏したのか、今は少し被害が落ち着いています。
私と同じように、家庭菜園でネキリムシや害虫被害に悩んでいる方の参考になれば嬉しいです!
希望の芽が立った矢先の「異変」
まずは前回の続きから。
枝豆の芽を猿に抜かれた翌朝、息子と畑を見にいくと、ダメ元で植え直した芽が意外にもピンと立っているのを見て、少し希望がわきました。
しかしよく見てみると、また別の異変を発見しました。芽が途中から「ブツッ」と切られたようになっていたのです。
「これはおかしいぞ」と思い調べてみると——
犯人はどうやらネキリムシ(根切り虫)でした。

ネキリムシとは?|家庭菜園初心者が見落としがちな害虫

ネキリムシとは、主にカブラヤガやタマナヤガなどの蛾の幼虫で、畑の土中に潜みながら、夜間に活動して作物の茎の根元を噛み切る害虫です。
- 活動時間帯:主に夜間(昼間は土中に潜る)
- 被害が出る場所:地面に近い茎の根元(株元)
- 症状:苗が倒れている/茎が途中からスパッと切れている/葉は元気なのに突然萎れる
私の場合も、植えたばかりのネギや芽出しした野菜が、一夜にして途中からスパッと消えてしまうというケースが何度もありました。当初は「風で倒れたのかな?」などと思っていたのですが、よく見ると切り口が鋭く、不自然。まるでハサミで切ったような跡。
ここでようやく「自然に枯れた」のではなく、「何かに切られた」可能性に気づいたのです。

見たことあったのにスルーしてた|“知らない”はリスクになる
じつは、このネキリムシ、畝立てのときに何匹か見かけたことがありました。土を掘ると、コロンと丸まった灰色っぽい幼虫。「なんか虫がいるなー」くらいで、あまり気に留めていませんでした。
害虫かどうかも分からなかったし、できれば虫を殺したくないという気持ちもあり、「まあ自然の一部だし」と放置していたんです。
今思えば、あのときが最初のチャンスでした。
ネキリムシの見つけ方|掘っても出てこない理由
被害に気づいた私は、ネットで読んだ通りに株元を掘り返してみました。
しかし、いくら掘っても出てこない。
理由は単純で、ネキリムシは昼間は深い場所に隠れているため、日中に探してもなかなか見つけられません。また、気温や湿度によって活動場所を変えるそうで、「昨日いた場所」に今日もいるとは限らないのがやっかいな点です。
ネキリムシ対策|実践的な3つの方法
方法①:物理的に掘って捕まえる(補殺)
基本はやはり「補殺」です。苗の株元をそっと掘り、見つけたら取り除きます。殺すことに抵抗がある人は、畑の外に捨てるだけでもOK。見つけたときにすぐ対応することが何より重要です。
被害に遭った翌日、苗の近辺を掘り返したところ、3匹ほど捕獲することができました。

方法②:夜間の見回り
ネキリムシは夜間に活動します。懐中電灯を持って、20~21時頃に畑をチェックすることで、地上に出ている個体を見つけやすくなります。
これはとても効果があるそうですが、我が家の庭は夜になると真っ暗で、すぐ裏の森では何かの動物がガサゴソと動く気配が。近所ではクマの目撃例もあり、ネキリムシよりもはるかに大きな脅威なので、残念ながらうちではこの方法は使えません。
方法③:忌避資材や天然系農薬の利用
どうしても駆除が難しい場合は、市販の天然系の忌避剤や散布資材を使うのも一つの手です。
本やネットで調べたところ、以下のものが有効そうです。
- 株元に米ぬかを多めに撒いておく
- 「ストチュウ(酢+焼酎+唐辛子)」の自作スプレー
- 木酢液の薄め液を株元にスプレー
- 天然系の殺虫成分を含む土壌改良剤
こうしたアイテムを苗を植える前や直後に使用することで、ある程度の予防効果が期待できます。
米ぬかについては、ある自然農園の方の情報によれば、ネキリムシやヨトウムシ(これも厄介な害虫です)は米ぬかを食べると食中毒を起こして死んでしまうそうです。地域柄、米ぬかは手に入れやすいので、試してみようと思います。
また、「ストチュウ」スプレーは私が愛読しているいくつかの本でも紹介されていて、ネキリムシに限らず色々な害虫に使えそうなので、こちらもこれを機に作ってみようと思っています。
まとめ|ネキリムシは放置厳禁。早期発見と小まめな観察がカギ
現時点では、掘り返しで数匹捕獲したことで、その後は被害が出ていないので、ひとまず様子を見ています。ただし、土の中にいる限り根絶は難しいため、今後も定期的なチェックと予防策の併用が必要と考えています。
また、「最初に見かけたときの対応が重要」という教訓も得られました。「虫なんて自然の一部」と軽く考えていた私ですが、ネキリムシの被害をきっかけに、「自然と共生すること」と「必要な対処をすること」は両立できるものだと気づきました。
我が家では3歳の息子とともに「ネキリムシ探しゲーム」と称して、宝探し感覚で楽しみながら対応しています。苗を食べられたのは悔しいですが、これはこれで楽しいのでまぁよかったかなと思えます。
土の入れ替えやメンテナンスが大事!
また、この一連の出来事で気づいたのが、栽培環境そのものが虫にとって快適になっていた可能性です。ここ数年、私はレイズドベッド式で野菜を育てていましたが、土の入れ替えをほとんど行っていませんでした。その結果、知らないうちにネキリムシなどの幼虫が過ごしやすい土壌環境ができていたのだと思います。
今シーズンからはレイズドベッドを解体し、土の上に直接畝を立てる従来の方式に切り替えたところ、ようやく虫の存在に気づくことができました。この経験から、定期的な土の入れ替えや、全面的な耕し直しの重要性も実感しています。これからも頑張ります!
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