家庭菜園をしていると、野菜のちょっとした変化に一喜一憂しますよね。
我が家のナスも、毎年さまざまなトラブルに見舞われながら、なんとか実をつけてくれています。
今年も、ヒヨドリに花を食べられ、虫に茎をかじられ、さらには猿に実をもがれながらも、なんとか育ってきました。
成長はやや遅れ気味でしたが、ナスは秋まで収穫できるので、まだまだこれからだと信じていました。
…そんなある日、異変が起きます。

主力のナスだけが、突然しおれてきた
我が家ではナスを2株栽培しています。
そのうち、大きく育っている“主力ナス”の方が、急にぐったりと萎れてしまいました。

水切れか?と思って朝晩たっぷり水やり
連日の猛暑。まず疑ったのは水不足でした。
ナスは水をよく吸う野菜なので、朝晩の2回、畝から水が溢れるほどたっぷりと水を与えます。
すると翌朝、見事にシャキッと回復。
「やっぱり水切れだったか」と安心したのですが、それも束の間――夕方にはまたしおれている。
他の株は元気。やはり何かがおかしい…
隣に植えたもう1株のナスはピンピンしており、比べても明らかに差があります。
毎日水をやると一時的には復活するのですが、すぐにまた萎れてしまう。
この時点で、「これはただの水切れではないかも」と不安に。
青枯病の可能性?まさかの重病にゾッとする
いろいろと調べていくうちに、恐ろしい病名が浮かび上がってきました。
「青枯病(あおがれびょう)」という病気を発見
しおれる症状や、復活してまたしおれるという経過から、「青枯病」の可能性があると判明。
これはナス科の野菜にとって非常に厄介な病気です。
- 原因は細菌性の病原菌
- 地中深く(最大1m以上)に潜み、日光に弱い
- 一度発生すると、土壌を完全に消毒するか、数年休ませる必要がある
- ナスだけでなく、トマトやピーマンにも感染する
つまり、この一株に感染していたら、畑全体がアウトの可能性があるという、想像以上に深刻な事態です。
観察と切断調査へ…しかし驚きの結末が!
症状の進行状況を観察してみたところ、萎れていたのはその1株だけ。
隣の株はまったく異常なし。この時点で、「ひょっとして違う原因かも?」という予感が。
そこで、思い切ってそのナスを根元から引き抜いてみました。
茎の根元が虫に喰われていた!
なんと、株元の茎が半分以上かじられていたのです。
どうやら、茎の内部を食い荒らす害虫にやられていた様子。
これでは、水を根から茎へと吸い上げることができず、しおれて当然です。
水に浸して白い粘液(青枯病のサイン)を確認するまでもありませんでした。
原因は病気ではなく、物理的なダメージだったのです。
青枯病でなかったのは不幸中の幸い
一本のナスは残念でしたが、広がる病気でなかったことにホッとしています。
もし青枯病だったら、数年間ナス科の作物が育てられなくなるところでした。
今回の件で学んだのは以下の2つです。
青枯病と間違いやすい!虫害にも注意
症状が似ているため、つい病気を疑いがちですが、虫による茎の被害でもしおれは起こります。
特に根元や茎の基部は見落としがちなので、異変を感じたら丁寧に観察を。
青枯病対策には「連作を避ける」ことが重要
青枯病は同じ場所でナス科の野菜を何年も育て続けることで発生しやすくなります。
土のローテーションや、土壌改良、太陽熱消毒など、予防の意識を持つことが大切です。
まとめ:ナスの異変、あきらめずに観察を
「しおれた=もうダメ」と決めつけてしまう前に、まずは冷静に状況を観察しましょう。
今回のように、虫害が原因であれば、他の株には影響が及ばないこともあります。
残った1株のナスに期待しつつ、秋までしっかり見守っていこうと思います。
同じように家庭菜園でナスを育てている方の参考になれば幸いです。