田舎暮らしへの憧れの中でも代表的なのが薪ストーブ!
しかし、実際に導入した後、最初につまずきやすいのが「薪の入手方法」です。私も当初は「ホームセンターで買うしかないのかな?」と思っていましたが、薪の入手に奔走してきたここ数年の中で、実にさまざまな方法があることがわかりました。
ここでは、私が実際に試してきた方法も含めて、薪の主な入手方法を5つご紹介します。田舎暮らしを検討していて、薪ストーブの導入に迷っている方はぜひ参考にしてみて下さい。
ホームセンターや薪屋さんで購入する
一番手軽な方法が、ホームセンターや薪の専門店での購入です。
ただし、これは「とても高い」です。私の住んでいる地域では、軽トラ一杯で約2万円ほど。真冬に薪ストーブを毎日使った場合、2〜3週間分の量です。
なぜそんなに高いのかというと、薪になるまでに膨大な手間がかかるからです。
山や森に生えている木を伐採します。非常に危険な作業で素人にはほぼ不可能なので、必ずプロの手が介在しています。
薪ストーブに入るサイズ(40~50cm程度)に木を細かく切断する工程です。数メートル単位の木を刻んでいくのは大変な労力がかかります。
玉切りした木を斧や薪割り機で割っていきます。初めは楽しいですが、1年で使う薪の量は数トン単位。楽しいだけの作業ではありません。
意外と見落としがちなのが、この工程です。割った薪はすぐに使えるわけではなく、平均して2年ほど乾燥させる必要があります。大量の薪を乾燥させる場所と時間が必要です。
こうした工程をすべて省略して「すぐに使える薪」が手に入るのですから、価格が高いのも当然です。
なお、地域によっては薪屋さんが使った分だけを配達してくれるサービスもあります。たまにしか焚かない方や、作業時間が取れない方には便利ですが、暖房として日常的に使うには経済的な負担が大きいのが現実です。
原木を購入する
コストを抑えたい人には「原木購入」がおすすめです。
これは3~4メートルほどに切り揃えられた木材(原木)をまとめて購入し、自分で玉切り・薪割りをするという方法です。私の地域では、林業の会社や森林組合が建材用に杉やヒノキを伐採する際、副産物として広葉樹の原木を販売していることがあります。

価格の目安は以下のとおりです:
- 2〜3トン(軽トラ1〜2杯分)で配送料込み1.5〜2万円程度
- おおよそ2ヶ月分の薪に相当
ただし、自分で切って割って乾かす必要があるため、労力はかなりかかります。チェーンソーや薪割り道具、保管スペースの確保が必要になります。
このあたりの具体的なやり方は、また別の記事で詳しくご紹介する予定です。
行政が配布する間伐材をもらう
意外と知られていませんが、行政が伐採した木を無料で配布していることがあります。これは、河川の維持管理や森の整備で発生した間伐材を有効活用する目的で、年に数回行われています。
私も一度、近所の人に教えてもらって参加したことがありますが、朝8時の配布に合わせて現地に行くと、すでに軽トラの列ができていました。
- 木は1mほどに切り揃えられており、軽トラ一杯分まで持ち帰りOK
- その場で話し合いの上、早く来た順に分配される
このように、競争率は高いですが無料で良質な木が手に入るチャンスです。ただし、軽トラや軽バンが必須なので、車がない人は誰かに借りる必要があります。
近所の伐採木をもらう
「地元ならでは」の入手方法が、近所で伐採された木を譲ってもらうことです。
庭の剪定や新築工事などで、意外と頻繁に木が伐採されています。その際に出た木の処分は、業者にとっても大きなコスト。産業廃棄物扱いになるため、生木の処分費用は非常に高いのです。
私自身、隣家との境界にあった高さ20メートルのナラの木2本を、落ち葉や折れ枝の危険から伐採することになり、費用を折半する代わりに伐った木をすべてもらいました。これだけで2年分に相当する薪になりました。
この方法は、「人間関係とタイミング」が重要ですが、うまくいけば非常にありがたい資源になります。

※このエピソードも後日、別記事で詳しく紹介する予定です。
廃材を利用する
もう一つの裏ワザ的な方法が「廃材利用」です。
我が家では、腐ってしまったウッドデッキを解体した際、その木材を薪として活用しました。また、杉板の壁材を貼り替えた時に出た端材も、焚き付けとして使っています。

近所で家を建てている現場を見かけた際、大工さんにお願いして端材を譲ってもらったという話も聞いたことがあります。建築現場では、端材の処分も費用がかかるので、貰ってくれると助かるという話でした。
ただし注意点として、建材には防腐剤や塗料が使われていることがあるため、健康への影響を考えると、あまり大量には使わない方が良いでしょう。
まとめ:自分のライフスタイルに合わせた方法を選ぼう
薪の入手方法は一つではありません。手軽さを取るか、コストを抑えるか、体力・時間・道具の有無によっても選択肢が変わります。私自身、最初はホームセンターで高価な薪を買っていましたが、今では伐採木の交渉や原木購入を組み合わせながら、薪ストーブ生活を続けています。
確かに大変な面もありますが、「あってよかった」と思うことの方が圧倒的に多いです。まず暖かさが他の暖房に比べて段違いなのと、暖かさの感じ方も違います。そして何よりかっこいい!この満足感も大きいです。
移住予定地の気温や特性にもよるかもしれませんが、この記事を読んで「これならできそう」「面白そう」と思われた方はぜひ導入されることをお勧めします。
「薪の確保」も面白さのひとつ。いろいろな手段を知っておくことで、より自由で持続可能な暮らしができるはずです。