夏の定番ハーブ「バジル」。とてもいい香りで、料理にも幅広く使えるため、家庭菜園の中でも特にお気に入りです。そのバジルを、よりたくさん、より長く楽しむための方法が「摘心(てきしん)」です。
今回は、私が実際に鉢植えでバジルを育てながら摘心に挑戦した体験をもとに、摘心のメリットや切る場所、育て方のコツをお伝えしてみます。
バジルを育てている方、これから育てよう!という方の参考になれば嬉しいです。
バジルは虫に狙われやすい?畑での失敗から学んだこと
もともとは畑で、トマトと一緒にバジルを育てていました。「コンパニオンプランツ」といって相性の良い組み合わせのひとつで、トマトの生育もよくなるし、料理でも一緒に使えるので重宝していたんです。
でも、ある年を境にバジルだけを狙う小さな甲虫(体長5mmほど)が現れるようになり、気がつくと葉が穴だらけに。最終的には丸裸になるほど食べ尽くされてしまいました。これが3年も続いて、さすがに畑でのバジル栽培はあきらめることにしました。
鉢植えでの再挑戦。虫も来ず、管理しやすい!
そこで次に試したのが、鉢植えでの栽培。これが大正解でした。もちろんプランターでもいいと思います。
虫の被害も最小限に抑えられ、日当たりのいい場所に移動するのも簡単。今ではデッキの上で育てていて、毎朝1〜2枚の葉をちぎってチーズトーストにのせたり、パスタに添えたりと、バジルのある暮らしを楽しんでいます。

バジルの収穫量を増やすなら「摘心」が効果的!
順調に育っているとはいえ、さらに収穫量を増やしたいのが人というもの。そんなときに有効な方法が、「摘心」です。
摘心とは、植物の先端を切ることで、脇芽の成長を促して株をより充実させる方法です。バジルの場合、これを行うと2本、4本と枝分かれしていき、葉の数が倍以上に増えることもあります。
摘心に適したタイミングとは?
バジルの摘心にちょうどいいタイミングは、株が30cmほどの高さになった頃。この左側のバジルくらいのサイズまで育っていれば株も安定していて、切ったあとの回復もスムーズです。右はもう少しですね。

あまり早い段階で切ってしまうと、株が弱ってしまったり、脇芽がうまく育たないこともあるので注意が必要です。
摘心の具体的な手順とコツ
やり方はとてもシンプルです。
- バジルの先端をよく観察する
- 脇芽が出ている節(茎と葉の分かれ目)のすぐ上を探す
- 清潔なハサミで、2〜3節目あたりの上をスパッと切る
切る場所はだいたい写真の指のあるあたりがいいと思います。


このとき、切り取った先端の葉ももちろん使えます。私はその日の昼にパスタのトッピングにして、美味しくいただきました。

摘心後のケアも忘れずに
摘心のあとには、少しだけ追肥をしてあげると脇芽の伸びがぐんとよくなります。水やりも、いつもより丁寧にしておくと、切り口の回復が早まって株全体が元気になります。
数日もすれば、切り口の下から脇芽がぐんぐんと伸びてきて、左右に新しい茎が広がっていくはず。こうして2本立て、4本立てと枝分かれしていくことで、1株でもたっぷりと収穫できるようになります。
バジルは鉢植えでも十分楽しめる
バジルというと畑のイメージがあるかもしれませんが、鉢植えやプランターでも十分な収穫が可能です。虫の被害も避けやすく、管理もしやすいので、家庭菜園をはじめたばかりの方にもおすすめです。
うまく摘心とケアをすれば、9月ごろまでずっと収穫が続くのも嬉しいところ。季節の変化を感じながら、日々の暮らしの中で摘んだバジルを食卓にのせる、そんな贅沢が味わえます。
まとめ:バジル摘心で、収穫も暮らしも豊かに
- バジルは30cm前後になったタイミングで摘心がベスト
- 脇芽のすぐ上を切ることで、枝分かれが促される
- 切り取った先端はそのまま食卓へ
- 摘心後の追肥と水やりでぐんぐん成長
- 鉢植えやプランターでも長期間の収穫が楽しめる
少しの手間で、収穫量も、食卓の彩りもぐっと豊かになります。丈夫で育てやすいバジルのある暮らし、ぜひ楽しんでみてください。それでは!