「クワガタ飼いたい!」「夏といえばクワガタ!」
そんな子どもたちの一言で、初めてクワガタを飼ってみるご家庭も多いと思います。我が家もそのひとつ。庭で見つけたクワガタを、子どもたちと一緒に飼ってみることにしました。

でも――飼ってみてすぐに気づいたのは、「思ってたのとちょっと違うぞ…?」という感覚でした。
この記事では、実際にクワガタムシを飼ってみてわかったリアルな体験と注意点をお伝えします。これから飼ってみようかな、という方の判断材料になれば幸いです。
1. クワガタムシは、昼間ほとんど動きません

多くの人が、クワガタを「動いてる姿を毎日眺めるもの」だと思っているかもしれません。
でも実際には、昼間はほとんど動きません。
我が家のクワガタたちは、日中はマット(土)の中にもぐってじっとしています。見えるのは、止まり木とエサ皿だけ。「どこ行っちゃったの?」と、子どもたちが不安そうにケースをのぞき込むことも。
昼間の姿は“空っぽの虫かご”に近い、というのが正直な印象です。
2. 夜にしか動かない=子どもと観察しづらい
クワガタは夜行性です。
つまり、動くのは子どもが寝てから。
我が家の子どもたちは5歳と3歳。ちょうど寝る頃に、クワガタが活動し始めます。せっかく飼っても、子どもと一緒に動いている姿を見る機会はかなり限られるのが現実です。
「寝る前に5分だけ観察タイム」を設けるなど、暮らしの工夫が必要になるかもしれません。
3. メスはほとんど姿を見せません
もしオスとメスをペアで飼おうと思っているなら、メスはほとんど姿を見せないことを知っておいてください。
我が家のメスは、基本ずっと土の中。「本当にまだいるのかな?」と心配になるほど出てきません。
「子どもと観察する」という目的があるなら、オス単体のほうが向いている可能性もあります。
4. 餌(ゼリー)をあまり食べない?

市販の昆虫ゼリーを与えたものの、最初はまったく減らない日が続きました。「ちゃんと食べてるの?」「このゼリー、好みじゃないの?」と不安に。
調べてみると、バナナやリンゴ、きゅうりなども代用可能とのことで、少量ずつ試してみると、バナナは明らかに反応が良かったです。ただし、果物は腐敗が早いためこまめな交換が必要です。
まめに交換するとなるとそれなりに手間がかかるので、そういった手間をかけられるかどうかも、飼う前に検討ポイントになりそうです。

5. 意外と音が大きいです
これがけっこう大きな盲点でした。
夜になると、ケースの中で動き回ったり、アクリルの壁を引っ掻いたり、止まり木をひっくり返したりと、思った以上に音がします。
特に静かな部屋では、「ギリ…ギリ…」という引っかく音や、「ガタンッ」とケース内の物音が響きます。
寝室やリビングなど、静けさを求める場所には不向きかもしれません。
6. 暑さに弱い → 置き場所に悩む
クワガタは暑さに弱いと言われています。日中30℃を超えるような場所に置くと、命に関わることもあるとの情報も。
そのため玄関のような涼しくて暗い場所が適しているということで、我が家では玄関に置いていますが、日によってはかなり蒸し暑くなり、「大丈夫かな…」と不安になることも。
置き場所は、
涼しい/暗い/静か/風通しがある
という条件をすべて満たすのが理想ですが、そんなにちょうどいい場所は意外と少ないのも事実です。置き場所はしっかり考えてから飼うほうがよさそうです。

7. 子どもの年齢によっては向かないことも
我が家の子どもは5歳と3歳。正直なところクワガタ飼育は“ちょっと地味”だったようです。
- 昼間は動かない
- メスは見えない
- 餌も減らない
- 夜はもう寝てる
「かわいがる」「遊ぶ」といった体験には、あまりつながりませんでした。ただ、その分“命と関わる体験”としては意味があるとも感じています。特に5歳の娘は、保育園でカタツムリを飼ったり、庭で捕まえたテントウムシやダンゴムシを空き箱に入れて遊んだりしているので、本格的に生き物を飼うという経験は貴重なものになっています。
「あまり見えないけど、そこに生きている」「ちゃんと世話をしてあげる」
そんな静かな関わりも、子どもたちの記憶には残るのかもしれません。(と期待しています笑)
結論:クワガタムシを飼うなら、目的を明確に
クワガタムシの飼育は、手軽で、設備もシンプル。
でも、「子どもと一緒に毎日楽しく観察する」というイメージとはギャップがあることも多いです。
特に以下のような方にはおすすめです:
- 夜間に観察できる(または観察は大人メインでOK)
- 動きがなくてもOK。生きものと“共に暮らす感覚”を楽しめる
- 静かな場所を用意できる
- 餌や温度管理など、ある程度の手間をかけられる
逆に、
- 毎日子どもと触れ合いたい
- にぎやかに遊びたい
- あまり手間をかけたくない
という方は、別の生き物や、短期間の観察キットの方が合っているかもしれません。
おわりに:飼ってみて感じたこと
「想像と違った」でも、「失敗だった」とは思っていません。静かな生きものとの距離感や、夜にだけ動く不思議な生活リズム。ケースの奥で、ひっそりと生きている姿に、ちゃんと愛着が湧いてきています。
子どもたちも、「今日はクワタ出てきたかな?」「クワコ全然いないね」と、毎朝そっと覗き込むのが日課になりました。クワガタムシとの暮らしは、にぎやかではないけれど、確かに“生き物を飼っている”という実感があります。
迷っている方は、ぜひこの記事を一つの判断材料にして、ご家庭のスタイルに合った関わり方を考えてみてくださいね。それでは!
飼育セットの準備についてはこちらの記事で紹介しています。よろしければこちらもぜひご覧ください。
