梅雨入りとともに始まる、わが家の恒例行事「梅しごと」。今年も庭の梅の木が、たくさんの恵みを届けてくれました。

第2回となる今回は、拾った梅を使って、実際に梅干しを漬けるまでの工程をご紹介します。大切なのは、清潔さと丁寧さ、そして「塩分18%」という黄金比。これだけで初心者でも失敗知らずの梅干しづくりができますよ。
第一段階は「梅酢が上がる」まで。6つの工程を紹介

まずは庭で拾った梅の中から、きれいなものだけを選びます。小さくて固い実や、傷んだものは避けて。特に傷のある梅は、カビの原因になるため要注意です。
わが家では、あらかじめ漬ける容器のサイズが決まっているので、500gを目安に選定。

ちょうどよく、ふっくらとした梅が500g揃いました。こういう時にピッタリの重さに揃えるのも、子どもにとってはゲームのよう。これも梅しごとの小さな楽しみです。

選んだ梅は、やさしく水洗いします。
水分が残っていると、これもカビの原因になるため、ここでの「水切り」こそ、仕込みの成功を左右する大事なステップ。
うちでは、キッチンペーパーで一粒ずつ水気を吸い取るようにしています。
力を入れすぎると潰れてしまうので、指先の感覚でそっと。ひとつひとつ、丁寧に水を切っていきます。

次は消毒。水気を取った梅に、焼酎(またはホワイトリカー)をまぶします。
スプレーがあれば便利ですが、わが家では手にとってまんべんなく振りかけていきます。焼酎の香りとともに、気持ちが「これから漬けるぞ」と切り替わっていくような、ちょっと神聖な気持ちになる瞬間です。(大袈裟ですかね笑)

そして塩です。「梅の重さ×18%」の塩をきっちり用意します。
たとえば今回のように梅が500gなら、塩は90g。実際に見るとけっこうな量で、「おぉ…」っとなりますが、これがカビを防ぎ、常温でも安心して保存できる黄金比率。わが家ではこの方法で毎年仕込み、3年物の梅干しもまったくカビる様子はありません。

清潔な保存容器に、まず塩をひとつかみ。
その上に梅を並べて、また塩をふりかけて――「塩 → 梅 → 塩 → 梅」と層を重ねていき、最後は必ず塩で終わらせるのがポイント。
これは塩の“ふた”をするイメージで、カビの発生を防ぐためにも重要です。

梅を入れ終えたら、重しをのせて約1週間、冷暗所で寝かせます。
わが家では、専用の重石がないため、お皿にラップを巻いて代用。ちょっと見た目は不格好でも、毎年これでしっかり梅酢が上がってきます。

カビ予防のため、容器全体を新聞紙で包み、日の当たらない涼しい場所で静かに保存。1週間もすると、梅のエキスがにじみ出て、透明な「梅酢」がしっかりと上がってきます。
次回は梅酢が上がった後の作業をお届けします
ということで、今回は「梅を漬けるまでの流れ」をご紹介しました。
ひとつひとつの手順は地味で手間もかかりますが、庭で拾った実が食べ物に変わっていく最初の工程でもあります。子どもの食育にはこういった「木になっていたものが食べ物になっていく」流れを見せるのも大切だと思います。
次回は、梅酢が上がってきたあとの作業についてお届けします。どうぞお楽しみに!私も楽しみです!
梅干しをつけることになった経緯や、入手方法についてはこちらの記事もぜひご覧ください。

追伸:翌朝、もう梅酢が上がってきました
翌朝、気になって様子を見てみるともう梅酢が上がってきていました。この調子なら1週間も待たなくて良さそうです。
